スポーツ外傷(顔面外傷など)について


 顔面の外傷にはさまざまなものがあります。スポーツの時に起こることが多いのでスポーツ外傷とも呼ばれています。スポーツ(サッカー、ラグビー、バスケットボール、野球、ソフトボール、ボクシング、スキー、スノーボードなど)の時に起こるものの他、交通事故、不慮の事故、けんかに起因するものなどその原因と外傷の場所や程度はさまざまです。外傷の部位や程度によっては、耳鼻咽喉科のみならず、形成外科、脳神経外科、眼科、歯科口腔外科などと一緒に治療が必要になることがあります。
 顔面の骨折の中で、最もよくみられるのは鼻骨骨折 です。スポーツやけんかによるもの、交通事故、転倒して顔をぶつけた時など、鼻の周りに外力が加わることにより起こります。症状としては、痛みや鼻出血、鼻の変形などです。レントゲンやCT検査で診断されますが、骨折していても鼻が変形していないものはそのままで様子をみていきます。鼻の変形が強い場合には手術が必要になります。また、骨折してから時間が経ってしまった陳旧性鼻骨骨折では、形成外科的な治療となることもあります。

 その他顔面の骨折について代表的なものをいくつか説明します。

 @眼窩吹き抜け骨折
 眼窩という眼球が入っている部位の骨折です。症状は、目の周りの腫れや眼球が凹んでしまう、見える範囲が狭くなる(視野狭窄)、ある方向を見ると物が二重に見える(複視)などが起こります。耳鼻咽喉科と眼科の検査や治療が必要となります。
 A 頬骨骨折
 いわゆる「ほほ骨」の骨折です。「ほほ」が凹んで顔貌が変化する、口が開けにくくなるなどの症状が出ます。手術的な治療が行われます。
 B 下顎骨骨折
 「あご」の骨折です。口が開けにくくなる、咬み合わせがずれる、ものが噛めないなどの症状です。歯科口腔外科と咬み合わせをチェックしながら手術による治療を行います。
 C 側頭骨骨折
 頭の横の骨(側頭骨)の骨折です。脳神経外科での治療となる場合が多いのですが、耳鼻咽喉科でも鼓膜の損傷、中耳の出血や、聴力や平衡機能、顔面神経麻痺などについての関わりがあります。

 以上、いくつかの骨折について説明しましたが、交通事故やけんかなどでは、数か所の骨折を重複していることも多くみられます。また、脳の損傷などより重大な問題が起こる場合もあります。外傷後早期に症状に合わせた専門医を受診することが必要です。